会長就任にあたりまして
日本実験力学会 会長 塩 見 洋 一
第19期の途中から会長を務めることになりました.ほぼ1年前倒しの就任となり,心の準備も諸事の準備も十分に出来ているとは言い難い状態ですが,本会の運営を滞りなくするために,鋭意努力して参りたいと思っておりますので,どうぞよろしくお願いいたします.これまで19期に渡る歴代会長,理事ならびに事務局の皆さまのご尽力により,現在の本会が運営できておりますことに感謝申し上げ,本会を更に発展させる使命がありますことを肝に銘じて,理事をはじめ会員の皆さまのご協力のもとに邁進していく所存です.
日本実験力学会の目的は、「実験力学分野における学術・技芸の目覚ましい進歩・発展に呼応してその対象分野を拡大し,新進の研究者を糾合するべく学会の体勢を新しく構築・整備するとともに正会員数の増強を図り,かつ学会の拡充を通して斯界の学術・技芸の発展と各種産業への応用に貢献すること」と明記されており,再度原点に立ち戻って第19期で推進・検討を進めていた課題も含めて以下のことを一つ一つ解決していきたいと思っております.
1.情報化推進による会員の皆さまへのサービス向上
私は2017年より情報通信担当の特任理事として本学会の理事会に参加いたしました.以降,それまでに構築して頂いていたホームページやメーリングリストの整備を行い,運用を行ってきました.コロナ禍で学会運営の情報化も進みましたが,さらにメーリングリスト等を活用して会員の皆さまに,より迅速に広く情報発信を行いたいと考えています.
また,昨年度より学会支援機構のシステムを利用することにより,会員管理や選挙の効率化を進めることが出来ました.そのシステムを活用することにより,会員専用のWEBページを介して会員の皆さまにとって有益な情報を提供出来るように検討して参ります.
2. 分科会活動を基軸にした新たな展開
本学会の特徴として現在15の分科会があり,年次講演会でのオーガナイズや講演会等活発に活動頂いております.複数の分科会が中心となって若手向けの国際セミナーInternational Workshop on Advanced Experimental Mechanics for Students and Young Researchers 2022 (IWAEM ’22)を本年11月25〜26日に企画頂きました.分科会での活動がより行いやすい環境の整備を行い,各分科会での活動のみならず,このような分科会同士の交流や横の連携も推進したいと考えています.
3.国際セミナーや新しい国際会議の推進
上述の国際セミナーの今後や2025年に予定している新しい国際会議の開催方法について,引き続き検討して,出来るだけ早くに会員の皆さまにお知らせしたいと考えています.
コロナ禍の終息がどうなるのか分かりませんが,ウィズコロナ,ポストコロナでの学会活動はどうあるべきであるのかということを模索しながら,これからの学会運営をしていきたいと考えております.一時は対面開催も危ぶまれましたが,2022年度年次講演会は実行委員会の皆さまのご努力により3年ぶりの対面開催が出来ました.年次講演会は2020年度やむを得ず中止,2021年度オンライン開催となり,他学会の講演会や会員の皆さまの所属機関での会議も様々なオンラインツールで行われるようになり,時間や空間の制約がなくなったように思いますが,やはり学会活動は対面で会員同士の交流も含めて大切であるとことが,今回の年次講演会で実感できたと思います.
以上のことを踏まえつつ,会員の皆さまが活発に活動でき,さらに会員数も増えていくような学会にするため,会員の皆さま方と共に,学会運営に取り組んでいきたいと思っております.会員の皆さまには,今後とも一層のご協力とご支援を賜りますようお願い申し上げます.