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2025年度日本実験力学会 称号授与報告
(敬称略)
実験力学高度専門術士(Distinguished Specialist in Experimental Mechanics) 1名
坂井建宣(埼玉大学)
称号授与理由:坂井建宣 氏は,実験力学的な手法を駆使し,粘弾性力学の分野で活躍しており, 時間−温度換算則を用いた正確な寿命予測法の開発のみならず,粘弾性挙動に及ぼす影響の定量的評価・化学的分析も行っている.それだけでなく,複合材料を対象とした非破壊検査の分野においても,アコースティック・エミッション技術の普及に努めており,これらの分野において,非常に価値の高い知見を得ることに成功している.
本会関連の学会発表も多数あり,時間依存性材料分科会の運営においては,分科会幹事,分科講演会の企画を行うなど多大な貢献をしている.また企画理事としても7年にわたり活躍しており,本会への貢献も多くある.本会以外の学会でも様々な運営委員等を任されており,日本機械学会ではフェローに選出されるなど,広く社会に貢献している.また,時間依存性材料に関する国際会議(MTDM)だけでなく様々な国際会議においても,Executive Committeeに選出されるなど,海外からの評価も受けている.
以上のように,坂井建宣氏は粘弾性力学および複合材料を対象とした非破壊検査の分野の分野で数多くの業績を挙げ,実験力学の啓蒙・普及活動に精力的に取り組んでおり,本会の発展に対する貢献度は極めて大きい.よって,称号授与規定および提出された推薦書に基づいて,実験力学高度専門術士の称号を授与する.
実験力学専門術士(Specialist in Experimental Mechanics) 2名
村澤剛(山形大学)
称号授与理由:村澤剛 氏は,学生の頃から材料力学領域の研究に取り組んでおり,その経験年数は28年以上に及ぶ.特に,実験力学的手法を活用した,形状記憶合金,高分子材料,スマートマテリアルに関する研究を精力的に行っており,それらの分野への貢献が高い.その活動を通じて,これまでに学術論文45編が国内外の学術誌に掲載されている.これらの活動の舞台には,本会や国外の実験力学関連学術団体であるSociety for Experimental Mechanicsが含まれている.また,材料力学,スマートマテリアル,形状記憶合金,ひずみ測定などの書籍を出版している.これは技術や知識の伝承を行っていることの証左であり,本称号の趣旨に一致する.さらに,2024年度の年次講演会を山形大学で開催した際に幹事を務め,本会の学術活動に大きく貢献した.
以上のように,村澤剛氏は実験力学分野への貢献が大きく,そして今後も,本会でのさらなる活躍,本会および実験力学の啓蒙,普及に邁進されることが期待できる.称号授与規定および提出された推薦書に基づいて,実験力学専門術士の称号を授与する.
伊藤寛明(近畿大学)
称号授与理由:伊藤寛明 氏は,光学ガラスや高分子材料を対象とした粘弾性特性の評価技術の向上に顕著な貢献をしている.特に,高精度な評価が困難であった光学ガラスの粘弾性特性の評価技術を確立し,粘弾性パラメータを高精度かつ簡便に導出する手法を提案している.また,超音波を活用した高分子材料の粘弾性特性の評価技術の開発にも取り組み,新たな技術革新を遂げている.このような取り組みからも,同氏の研究活動は非常に大きな価値を持つものと考える.
さらに,本会においては、多数の論文投稿や口頭発表を行うことで学術活動に貢献しており,現在は評議員として活躍中である.加えて,時間依存性分科会の主要メンバーの一人として学会の発展に尽力している.また、他学会・他協会においても講師として講演活動を展開し,実験力学分野の技術普及に努めている.
以上のように,伊藤寛明氏は実験力学分野への多大な貢献をされており,今後も更なる貢献が期待できる.称号授与規定および提出された推薦書に基づいて,実験力学専門術士の称号を授与する.
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