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The Japanese Society for Experimental Mechanics
日本実験力学会
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2022年度日本実験力学会 称号授与報告

(敬称略)
実験力学高度専門術士 (Distinguished Specialist in Experimental Mechanics) 2名

李 志遠(産業技術総合研究所)

称号授与理由:
 李 志遠氏は,実験力学の光学的手法の分野で画像計測による三次元形状・変形・ひずみ分布の計測技術の開発および産業界への応用研究を展開し,本会会誌や実験力学の海外専門誌への論文・解説記事の掲載など多くの研究成果を挙げた.位相解析技術とモアレ法を融合させたサンプリングモアレ法の研究では材料評価からインフラ構造物の健全性評価まで大きな貢献をなした.同手法を橋梁のたわみ計測へ適用するなど実用化に向けて精力的に取り組み,特許出願を通じて当該技術の産業化に貢献している.この方法は汎用的なカメラで遠方から構造物表面にある周期模様を連続撮影するので橋梁のたわみ分布を簡便かつ高精度で計測でき,今後我が国の社会インフラの老朽化が急速に進むことを考えると,画期的な計測手法であるといえる.
 以上のように,李 志遠氏は数多くの先駆的な業績を挙げており,本会と関連学会から多数の受賞実績がある.また,本会の評議員や分科会主査を務めている.さらに,本会年次講演会ならびに分科会への参加や複数の学会での光学的計測法に関する技術講習会の実施など,光計測に関する技術の啓蒙や普及活動に精力的に取り組んでおり,本会の発展に対する貢献度は大きい.よって,称号授与規定および提出された推薦書に基づいて,実験力学高度専門術士の称号を授与する.

脇本 辰郎(大阪公立大学)

称号授与理由:
 脇本 辰郎氏は,長年にわたり,極薄液膜内流れの乱流遷移や濡れに関係する様々な現象に対して,非常に緻密な実験による機構解明をおこなってきた.これらの物理現象はマイクロスケールで起こることから,その評価には卓越した実験力学の技術が必要となる.これまでに解明された諸現象は,本会論文集のみならず,Journal of Fluid MechanicsやPhysics of Fluidsなど,多数の学術誌に掲載されている.また,日本機械学会から2件の論文賞,本会から論文賞と技術賞を受賞されている.さらに,これら基礎研究にとどまらず,噴流による微粒子の除去や,水車による水力発電といった応用研究にも精力的に取り組んでいる.
 脇本 辰郎氏は,長年にわたって本会評議員(2012年〜)および理事(2017年〜2020年)を務めている.また,ISEM国際会議や,本会年次講演会の実行委員を歴任している.加えて,本会分科会(流体可視化分科会,サステナブル・エンジニアリング分科会)にも委員として参加し,精力的に活動している.このように,本会員に対する実験技術の支援・啓蒙活動,本会の企画運営に尽力してきており,本会の発展に対する貢献度は極めて大きい.よって,称号授与規定および提出された推薦書に基づいて,実験力学高度専門術士の称号を授与する.

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Last Updated Sep. 6, 2022