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The Japanese Society for Experimental Mechanics
日本実験力学会
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2020年度日本実験力学会 称号授与報告

(敬称略)
実験力学高度専門術士(Distinguished Specialist in Experimental Mechanics) 1名

藤垣 元治(福井大学)

称号授与理由:
 藤垣元治氏は,長年にわたり独創的な光学的手法の開発による構造物の3次元形状・変位・ひずみ測定法の研究に重視している.加えて,それらを応用して製造業や土木建築業をはじめ,多くの分野で当該技術の発展に大きく貢献しており,このような成果は国内に留まらず国外でも有名である.デジタルホログラフィを用いるひずみ分布計測手法や,1枚の格子画像から精度よく位相解析を行うことができる「サンプリングモアレ法」による変位やたわみ角計測手法,3次元計測手法においては,レンズの歪曲収差などによる系統誤差が入らず瞬時に3次元計測結果を得ることができる「全空間テーブル化手法」,さらに,振動が多い実環境下でもキャリブレーションをやり直す必要の無い全く新しい原理に基づく「特徴量型全空間テーブル化手法」などを提案し,その考え方の普及活動を進めている.これらの研究成果は,数多くの学術論文や国際会議,国内会議,解説記事,著書等で発表されるとともに,特許出願を通じて当該技術の産業化に貢献されている.また,本会の論文賞(2009)および技術賞(2005, 2010, 2015, 2019)の受賞のみならず,関連学会でも多数の受賞実績があり,その優れた第三者評価の実績は特筆に値するものがある.さらに,本会だけに留まらず関連学会を含めて多数の講習会や講演会,展示会の運営や講師等に精力的に取り組み,実験力学の分野の中でとりわけ画像計測・光応用計測に関する技術の啓蒙や普及活動に取り組んでいる.本会では,長年に亘って評議員(2004〜)および理事(2006〜),光学的手法分科会の主査(2008〜2015)および幹事(2016〜)を務めている.また,9th ISEM'14-New Delhi(2014)のCo-chairpersonをはじめとして,数多くの国内・国際会議での代表や実行委員を歴任している.加えて,参加者同士が相互に楽しく議論できる場としての本会・分科会合同ワークショップ(2015)も主催し,その際には同氏が開発した装置の実演デモも行われる等,参加者への技術支援並びに啓蒙活動も行っている.このように,同氏は本会の運営に対して枚挙に遑が無い貢献をしているとともに,本会の名声を大きく高めている.以上のように,同氏は画像計測・光応用計測に関する研究開発のリーダー的存在として本会を中心として学界・産業界を牽引するとともに,その情報発信を行える場を作ってきており,称号授与規定および提出された推薦書に基づいて,実験力学高度専門術士の称号を授与する.

実験力学専門術士(Specialist in Experimental Mechanics) 1名

坂上 賢一(芝浦工業大学)

称号授与理由:
 坂上賢一氏は,全視野計測を通して,高速進展き裂,粘弾性体中のき裂などの破壊力学の問題について,実験力学の手法を用いた研究で優れた成果を挙げている.近年では高分子材料の粘弾性特性計測法の開発や複合材料の時間依存性に関する研究などでも研究成果を挙げており,本学会の時間依存性分科会では中心的役割を担っている.また,本学会では評議員を務めており,本学会へ貢献している.他の学会では講習会の講師などを務めており,実験力学分野の技術の普及に努めている.以上のように同氏は実験力学分野への貢献が大きく,今後の更なる貢献も期待できることから,称号授与規定および提出された推薦書に基づいて,実験力学専門術士の称号を授与する.

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Last Updated Sep. 6, 2020