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The Japanese Society for Experimental Mechanics
日本実験力学会
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2016年度日本実験力学会学会賞表彰 選考結果報告

2016年度日本実験力学会学会賞受賞者が選考委員会において決定されました.2016年度年次講演会総会(平成28年9月2日,近畿大学・東大阪キャンパス)において表彰式を行い,受賞者には表彰状と記念のメダルが贈呈されました.

(敬称略)
功績賞 1件

須藤 誠一(秋田県立大学・名誉教授)

受賞理由
 須藤誠一氏は,実験力学的手法を駆使した磁性流体力学のみならず生物流体力学を応用したバイオミメティクスなど,幅広くかつ先駆的領域で長年に亘り研究活動に従事され,日本実験力学会論文賞,アメリカSEM Peterson Awardを受賞するなど,顕著な業績を挙げている.日本実験力学会においても,副会長,理事,監事,評議員を歴任し,学会の主要メンバーとして発展運営に尽力するとともに,2013年度年次講演会を実行委員長として開催された.加えて,分科会活動,論文審査,学会誌の編集にも従事するなど多大な貢献をされた.
 このように須藤誠一氏は,実験力学における学術・技術の進歩と,学会の企画・立案・運営に貢献するところ大であり,特別賞(功績賞)に値する.
論文賞 1件

佐藤祐哉(青山学院大学),有川秀一(明治大学),米山 聡(青山学院大学)

受賞論文:バーチャルフィールド法に基づいた異材接合材の弾性特性の同定法,実験力学,Vol. 14, No. 4, 2014, 250-256.
受賞理由
 本論文では,複数の材料が組み合わせられた構造物に対し,それぞれの材料の材料特性を同時に逆解析する方法を提案している.逆解析に使用する変位場をメッシュDIC法を用いて作成することでデータの精度を高めるとともに,不連続に変化する変位分布にも適用可能とした.さらに,実験により提案手法の有効性を実証した.本法により異種複合材の状態で個別の材料特性を求めることが可能となり,各種機器・構造物への応用が期待される.よって,本論文は実験力学的意義が高く,論文賞に値する.
技術賞 2件

壁矢和久(JFEスチール株式会社),石井俊夫(JFEテクノリサーチ株式会社)

受賞研究:振動測定に基づく応力推定による鋼構造物劣化診断技術,実験力学,Vol.12, No.3, 2012, 165-172.
授賞理由
 本研究では,従来健全状態からの相対評価が一般的であった振動測定に基づく構造物診断技術に対し,健全時のデータを必要としない絶対評価法を開発した.すなわち,簡便な振動測定で得られる構造物の固有振動数から部材にかかる最大応力が推定可能なことを示した.提案技術の実用性は実機を用いた検証で明示されており,完成度の極めて高い技術である.また,応用範囲も広く,今後の展開による社会への貢献度も非常に高いといえる.よって,本技術は技術賞に値する.

小柳 潤(東京理科大学),米山 聡(青山学院大学)

受賞研究:高性能CFRPフライホイールの開発,日本実験力学会分科会合同ワークショップ,No.12-2,2012, 1-4.
授賞理由
 本研究では,高速回転中に変形が一様となるようなCFRPフライホイールを開発した.CFRPの強度特性として回転慣性力と粘弾性効果を考慮することで,耐久性を改善させた新設計法を提案し,高性能のフライホイールを実現させた。また,開発過程では高速回転下で歪みを計測できる技術を工夫した.さらに,従来の課題であった半径方向の破壊を避ける設計の有効性を検証した.以上のことから,提案技術の工学的価値は極めて高く,技術賞に値する.
奨励賞 1件

王 慶華(産業技術総合研究所)

受賞研究:クロス格子を用いた二次元走査モアレ法による材料の変形分布測定,日本実験力学会講演論文集,Vol.15, 2015, 221-225.
授賞理由
 本研究では,従来法のように試料や走査方向を90度回転させることなく,一つのモアレパターンを使用して二次元走査モアレ法測定を可能としている.加えて,広範囲を対象にその変形の特徴を把握でき,短時間で高精度の計測も出来るようになった.今後、非接触・高感度・広範囲な視野の計測を可能とする,更に新たな手法の開発につながることが大いに期待される.よって,本研究は奨励賞に値する.

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Last Updated Jan. 8, 2017