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The Japanese Society for Experimental Mechanics
日本実験力学会
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2015年度日本実験力学会学会賞表彰 選考結果報告

2015年度日本実験力学会学会賞授賞者が選考委員会において決定いたしました.2015年度年次講演会総会(2015年8月28日(金),新潟大学工学部)において表彰式を行い,授賞者には表彰状と記念のメダルが贈呈されました.

(敬称略)
功績賞 1件

加藤 章(中部大学)

受賞理由
加藤章氏は,これまで一貫して応力・ひずみ測定および材料強度評価に関する実験力学的研究を行い,計測法の開発と独創的な研究推進により,多くの有益な研究成果を国内外で公表してきた.また加藤章氏は本会の理事,副会長,会長として,学会設立当時から永く本学会の発展運営に寄与してきた.このように実験力学の分野における学術・技術の発展,ならびに本学会における企画・立案・運営活動への貢献が大きく,功績賞に値する.
論文賞 1件

金井悠佑(日本工業大学大学院),梅崎栄作(日本工業大学),松井成幸(明海大学),駒澤大悟(明海大学),須田直人(明海大学)

受賞論文:Digital Image Correlation Analysis of Distal Movement of Mandibular Teeth Using Anchor Screws,J.JSEM,Vol.14, Special Issue (2014),272-278.
受賞理由
 本研究は下顎前突症の矯正治療を力学的に検討するための基礎研究として,歯科矯正用ワイヤーとブラケットと歯科矯正用アンカースクリューを併用して下顎歯列全体を遠心方向に移動する場合について,その移動が負荷位置や負荷方向によってどのような影響を受けるかを3次元デジタル画像相関法を用いて検討した.その結果,アンカースクリューから作用する荷重の位置や方向により歯の移動方向が異なり,下顎歯列全体を遠心移動させるには,第二小臼歯から水平方向より10°下方に牽引すると効果的であることが分かった.本研究は,歯科矯正分野において,歯の移動計測に3次元デジタル画像法を適用することにより,歯を効率よく移動できる荷重条件が得られることを明らかにした.よって本論文は論文賞に値する.
技術賞 2件

幕田寿典(山形大学),宿谷野々子(小森コーポレーション)

受賞研究:An Experimental Study on Disinfection System Using Ozone Microbubbles Generated by the Hollow Ultrasonic Horn, J.Jpn, Soc, Exp. Mech., Special Issue, Vol.11, (2011),116-121.
授賞理由
 本研究は超音波によるマイクロバブル生成技術を用いて,非塩素系殺菌技術であるオゾン殺菌の化学的殺菌効果と超音波殺菌の物理的殺菌効果を一度のプロセスで効果的に得られる殺菌技術の開発をおこなった.本技術ではマイクロバブルの良好な溶解特性を生かしてオゾンが速やかに溶解し,オゾンの化学的な殺菌応力を高めるだけでなく,マイクロバブル発生に用いる超音波自体も物理的な殺菌効果を有するため,超音波単独の殺菌やオゾン単独の殺菌と比べて2倍以上の殺菌能力を有することを明らかにした.本技術は工業的に有用であり,技術賞に値する.

冨田大樹(和歌山大学大学院),藤垣元治(福井大学),生駒 昇(ジェイアール西日本コンサルタンツ株式会社),玉井博貴(ジェイアール西日本コンサルタンツ株式会社),浅井大介(株式会社ヒカリ),宮城貞二(株式会社ヒカリ),村田頼信(和歌山大学)

受賞研究:改良型サンプリングモアレカメラの開発と鉄道橋梁の変位およびたわみ角への適用、日本実験力学会2014分科会合同ワークショップ講演論文集、(2014) .
授賞理由
 本研究では,以前に開発したサンプリングモアレカメラをさらに小型化・高速化した改良型のサンプリングモアレカメラを開発して,鉄道橋梁の変位およびたわみ角の計測に適用した.その結果,列車通過時に橋梁の支点近くを動的に計測したところ,有意義な変位分布とたわみ角の計測を可能にした.本技術によりインフラ構造物等の検査評価への実用化が近づくため,工業的に有用であり,技術賞に値する.
奨励賞 1件

小山寛人(日本工業大学大学院)

受賞研究:硬化過程における未硬化紫外線樹脂の動き,日本実験力学会講演論文集,No.14,(2014)
授賞理由
 本研究は,UV樹脂の硬化過程における収縮と応力分布の関係を把握するに先立って,UV樹脂の収縮との関係があると考えられる,硬化過程のUV樹脂の動きを粒子画像流速測定法(PIV法)により検討した.その結果,UV照射直後の硬化の初期段階から硬化終了時までの樹脂の動きが明らかになった.特に硬化の初期段階における樹脂の動きは,樹脂の収縮との関連が示唆された.本研究は樹脂中に生じる残留応力を軽減できる方法を見いだせる可能性があり,本研究は奨励賞に値する.

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Last Updated Dec. 5, 2015