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The Japanese Society for Experimental Mechanics
日本実験力学会
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会長就任にあたりまして

日本実験力学会  会長   坂 本 信  

 2013年8月21日の秋田での総会におきまして,第11期の会長を拝命することになりました.これまでの錚錚たる顔ぶれの歴代会長からの仕事を引き継ぐということで,その任の重さに身が引き締まる思いがすると同時に,任期が1年という短い期間にどれだけのことを成し得なければならないかと思索しています.これから実験力学会の将来のために全力を尽くす所存ですので,会員の皆様にはこれまで以上のご協力を宜しくお願いいたします.
 日本実験力学会は日本光弾性学会を母体に2001年に発足して以来,固体,材料,流体,建築,生体分野を初め種々の力学分野を包含した幅広い学問分野を対象としたユニークな学会として発展を遂げてきました.それは日本光弾性学会の会員数が100名程度であったのが,12年を経ちました現在の日本実験力学会の会員数が400名程度となっていることからも,その発展はめざましいものがあることが容易に理解できます.また,学会に設立された分科会の数も現在では19となり,学会全体の規模を考えますとかなり広範囲の専門分野を会員の方々が積極的に取り組んでおられることがわかります.このような学会の急激な進歩と近年の厳しい経済状況から,現在の本会は発展段階から一段落して定常的状態にあるのが現状であり,学会会員数の伸び悩みと財政基盤の弱体化が大きな課題となっています.
 特に財政基盤に関する事項が喫緊の重要課題であり,ここ数年来,年度ごとでの収支決算では赤字決算が続いております.この主な原因は,賛助会員数の減少,毎年1回開催しています国際会議であるISEMへの学会理事らの理解不足,講習会の減少等と分析をしています.現在,学会財政の健全化のために会員数の増加による会費収入の増加の試みや技術講習会等の増加等を積極的に行う予定ですが,これらによっても短期的な財政の健全化には至らない可能性が予想されます.そこで,総会におきまして条件付きでご承認いただきました2013年度の収支予算案につきまして再度検討を行い,補正予算作成に取り組み始めました.運営経費の大幅な支出経費削減を初めとし収入経費増加の案をご提案する予定です.
 学会活動を活発に行うためには,学会財政の健全化は必要不可欠です.会員の皆様が学会や研究会の経費を考慮せずにより良い運営が出来ますように,何としても私は微力ながらも財政の立て直しを第一に考え,来年度の新会長就任の際には財政を考えずに,活発な学会運営計画が可能となるようにいたす所存です.私はこのことを今回の年次講演会の総会におきまして会員の皆様にお約束をいたしました.
 以上,いささか negativeな話しをしましたが,これからの学会の活動としましては,これまで通り年次講演会,国際会議ISEM,分科会研究会,分科会合同ワークショップ,技術講習会の開催や新分科会の設立等を通して,学会のactivityを落とさないようなpositiveな活動はこれまで以上に積極的に進める所存です. 
 一方,今回の総会および顧問会等におきまして,以前本会の会長でご尽力をいただきました筑波大学名誉教授の松井剛一先生より,実験力学会の目標設定すなわち,identityとその将来方針について明確にする必要があるという本質的なご意見を頂きました.この極めて肝心な事柄をわれわれは忘れがちであったことに対して深く反省をするとともに,将来に向けた学会の方向性を打ち出す必要があると強く感じました.
 以上のような現状を踏まえまして,本会として有意義な企画を広く募集するとともに,これまでの学会にとらわれない斬新な企画アイディアを本会会員の皆様から頂ければ幸いです.大きな学会にはないスタンスの軽さを生かすことも,本会の発展に繋がることであると考えております.例えば,投稿論文の掲載審査の更なる迅速化を進めて,本会の特徴を明確にすることは重要と考えており,多くの新たな試みにチャレンジしていく所存です.
 最後になりましたが,重ねまして会員の皆様のご支援とご協力をこれまで以上にお願いするとことを切にお願いするとともに,広い分野の研究者の方々に本会の素晴らしさをお伝えすることをお願いする次第です.



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Last Updated January 16, 2014