image
The Japanese Society for Experimental Mechanics
日本実験力学会
 ホーム > 本会について > 会長メッセージ
日本実験力学会の更なる発展を目指して

日本実験力学会  会長   加藤 章  

平成24年7月14日の日本実験力学会評議員会および総会において会長就任のご承認をいただき,光栄に思いますと同時に重責を実感しています.歴代でちょうど10人目の会長に就任させていただきます.これまでの会長の皆様方に比べますと力不足を懸念していますが,1年間の任期の間精一杯努力したいと思います.本学会は設立より12年目を迎えていますが,これから「成人」を迎える20年目くらいまでが成熟期といいますか,学会として確立した存在になるために重要な時期かと思います.本学会は,「実験・計測」をキーワードとし た日本ではユニークな学会であります.学問分野としては固体力学,流体力学,熱力学などの広い分野を対象にしており,また,適用分野としては機械工学,土木工学,医学,歯学まで非常に広い分野を取り扱っているのが特徴です.同じ実験計測技術が広い分野に適用できる汎用性を持っており,広い範囲の分野の方々との情報交換を通じて,新しい適用分野への協力関係を築くことが出来る場を提供できることが利点かと考えます.

2011年3月に発生した東日本大震災による原子力発電所の爆発事故により非常に大きな被害をもたらしました.この事故に対する技術的な対応,さらに復興に対して非常に困難が伴っていることから科学技術に対する信頼が低下しています(平成24年版科学技術白書).実験計測は科学技術の中で真理を検証する方法として重要なものであります.われわれの真摯な取り組みにより,科学技術に対する信頼を少しでも取り戻すことが,科学技術に携わる者の使命と考えます.実験計測技術は科学技術の基礎的な問題であり,実験計測の信頼性を上げるべく地道な努力が必要であります.本学会の活動がそのために役立つことを願います.

学会活動の基本は人間的なつながりであります.本学会では現在19の分科会が設置されており,会員のほとんどの方はいずれかの分科会に所属して活動しています.まずは小さい単位の分科会活動を通して交流していただき,さらにすべての分科会の活動をまとめた形の分科会合同ワークショップにおいてより広い範囲の交流をしていただく.さらには年次講演会を通じて会員全員の方との交流を深めていただければと思います.比較的規模の小さい学会の特性を生かして,年次講演会などでほとんどすべての方の研究内容などを把握することも可能ではないかと思います.広い分野の方との交流を深めていただき,研究交流の場が広がることを願っています.国際交流にも力を入れており,毎年ISEM (International Symposium on Advanced Science and Technology in Experimental Mechanics)を開催し,この発表論文に基づいて特集号を発行しています.さらに,アメリカ実験力学会 (SEM, Society for Experimental Mechanics),EURASEM (European Society for Experimental Mechanics), ASEM (Asian Society for Experimental Mechanics) との連携を進めています.本学会誌に掲載された優れた論文を推薦して,SEMの論文誌に掲載してもらうことなども行なってきています.今後もこれらの学会との協力関係を密にして行きたいと思います.広い研究交流の場を持っていますので,状況に応じて積極的に交流の場に参加していただければと思います.

学会の財政について,繰越金が少しずつ減少してきていますので,これを改善する必要があります.将来に赤字財政を残すことが無いように,学会活動の活発化を維持しつつ,財政の健全化を図って行きたいと思います.緊縮財政の元,学会の運営費をできる限り少なくし,学会誌への広告掲載,賛助会員の勧誘などを行なって収入を増やしたいと思います.東日本大震災および円高により日本の製造業は厳しい状況にありますが,「産学連携支援センター」を中心にして産業界との連携も進めたいと思います.さらに学会誌への論文掲載を増加させて収入の増加を図りたいと思います.学会において重要なものは講演会における活発な研究討論と優れた投稿論文です.学術的にレベルの高い論文,および実用的な技術を取り扱った論文などオリジナリティの高い論文を歓迎します.実験計測分野における質の高い論文を投稿していただき,学会誌の専門的な内容を高めて行きたいと思います.

ロンドンにおいて第30回夏季オリンピックが少し前まで開催されており(7月27日〜8月12日),睡眠不足になりながらも日本選手の活躍に感動していました.日本選手は特に団体競技あるいは団体種目で多くのメダルを獲得していますが,日本人は人間的に強いきずなを持った場合に大きい力を発揮できる民族であるように思います.日本実験力学会におきましても会員の皆様とのきずなを強くして,目標に向かって努力して行きたいと思います.皆様ご協力お願いいたします.


▲ページ先頭へ


ホームサイトマップお問い合わせ・連絡先
Last Updated August 23, 2012