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The Japanese Society for Experimental Mechanics
日本実験力学会
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日本実験力学会10周年と更なる発展

日本実験力学会  会長  新川 和夫   

 本学会の評議員会・総会が8月に長崎で開催され,会長に選出されましたことは私自身にとりまして非常に光栄なことであります.歴代会長のご尽力により順調に発展を遂げてきました本学会を引き継ぐことに職務の重責を痛感するとともに改めて身の引き締まる思いがしております.

 本学会は,ご存知のように,日本光弾性学会の発展的改編によって2001年に発足し,来年2011年に10周年を迎えます.発足当初の会員は,固体分野の研究者が主であったと聞いていますが,現在では「固体,流体,バイオ,環境,エネルギーなど」幅広い分野の会員で構成されています.これは「実験力学」を冠する諸外国の学会とは異なり,固体に限定しないあらゆる分野の研究者・技術者を会員の対象としていることが特徴ではないでしょうか.本学会のこのような発展も歴代会長・役員ならびに会員のご尽力の賜物であると感謝しております.本学会の有する長所を継続するとともに,課題点を少しでも改善することが会長の使命であると考えておりますので,忌憚のないご意見がいただけますことを期待しております.

 本学会の特徴は,分科会を中心とした活動を重視し,「実験・計測」をキーワードとした横断型の活動をしていることです.現在では16からなる分科会が設置され,講演会や講習会など幅広い分野で活動しています.会員数は,発足当初からするとかなり増加したものの,現在は学生会員を含め約400名の状態になっており,目標とする500名には達していないのが現状です.更なる会員増強を図るために,異分野からの新しい分科会の設置が必要ではないかと考えています.

 本学会の事業として,年次講演会や分科会合同ワークショップの開催,2006年から始まった国際シンポジウム(ISEM)も今年の京都開催で第5回目となります.国際交流として,米国SEM,欧州EuroSEMなどの講演会への協賛,またアジアASEMとの交流協定を締結します.学生会員の活動支援として,主催・共催国際会議への参加補助金を支給しています.出版関係としては,会誌「実験力学」の発行,電子ジャーナルによる論文の公開,10周年記念事業の一環としての出版を計画しています.顕彰関係では,学会賞,称号授与,学生・若手研究者には年次講演会での優秀講演賞があります.また企業からの技術相談を受け付ける窓口として,産学連携支援センターを開設しています.

学会事業を推進するための財務面ですが,近年,会員の皆様からの投稿論文数が増えており,それに伴う投稿料と別刷り収入の増加により,極めて健全な状況となっております.しかし2004年の日本学会事務センターの破産後は,学会の専属職員はおらず,近畿大学と岡山理科大学の元会長の研究室が事務局となって運営されているのが現状で,長期的な学会運営のためには対策を図ることが必要となっています.本学会が10周年を迎え,更なる発展を達成するために,会員の皆様方には,今後とも一層のご理解とご支援を賜りますようお願い申上げます.


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Last Updated September 28, 2010