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The Japanese Society for Experimental Mechanics
日本実験力学会
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日本実験力学会の会長就任に当たって

日本実験力学会  会長 梅崎 栄作   

 2009年8月6日の総会において,第7期の会長を拝命しまたが,これまでの歴代会長の業績を拝見しますと,その責任の重さに身が引き締まる思いがします.任期は1年ですが,力学現象の実験的解明と実験手段・計測技術の開発,そしてそれらの産業界への普及を目指す,実験力学会の発展のために努力したいと思いますので,ご協力をよろしくお願いします.

 さて,日本実験力学会は,2001年1月1日に日本光弾性学会を名称変更して発足しましたが,私は,日本光弾性学会に所属していた関係から,この変わり目に立ち会うことができました.当時,日本光弾性学会は,会員数が約120人で横ばいであること,とりわけ若い会員が少ないことが課題でした.数年に亘る議論の末に,当時の高橋賞会長(関東学院大学名誉教授,故人)の下で,学会名を日本実験力学会とすることが決定されました.日本実験力学会の発足に当たり,どのような学会にするかが議論され,現在の学会の基盤が形作られました.会誌は,当初から年4回の季刊誌として,現在とほぼ同じ内容で発刊されました.会誌の表紙の色(4色),デザイン,ロゴを千葉工業大学の先生にお願いし,作成していただきました.会誌の色は,毎年この4色が交互に繰り返されていますが,1年目は会誌表紙の色のお披露目ということで,各号で色を変えました.また,会誌の編集については,初年度を担当した経験から,編集委員長の負担を減らすために,毎号特集号とし,特集号幹事を決めて幹事に論文,解説などの記事を集めてもらうことにしました.この制度は,現在もうまく機能していると思っています.このように出発した日本実験力学会は,歴代会長の下で,会員が増加し発展してきました.私の役割は,この学会をさらに活性化させ,学会創立10周年を迎える来年度に繋げることであると思っています.

 本会をさらに活性化するには,会員が学会に受動的に参加するのではなく,能動的に参加してもらう必要があります.そのためには,本会が中央集中型ではなく,分科会中心の地方分散型であるという特徴を活かすこができます.本会には,会員が参加できる場として,年次講演会と分科会があります.会員にとって,年に一回開催される年次講演会への参加・研究発表は,1年間掛けて得られた研究成果の発表の場であり,異分野の情報を入手できる場でもあります.しかしながら,結果的には,受動的な参加になってしまいます.それに対して,分科会は,明確な目的を持った同志の集まりであり,開催回数に制限がありませんので,学会本来の専門分野の議論を十分な時間を掛けて行えます.現場での問題点もいち早く入手でき,今後の研究課題も掘り起こすことができます.したがって,分科会での活動は,会員が学会に能動的な参加しているという実感を持ってもらえると思います.

 分科会の新設・活発化は,新しい会員の加入が期待できるため,会員の増加にも繋がります.会員の皆様方からの新たな分科会の設置を期待すると共に,分科会において,研究会開催などの活発な活動をしていただきたくお願いします.

 ところで,学会の存在意義は,社会の役に立つことです.そのためには,研究成果の外部への発信や,実験技術(実験手段,計測技術)の産業界への普及が求められます.実験技術の普及には,次の産業界を担う学生や若手技術者を対象とした実験技術関係の図書も必要になります.また,産業界との連携も重要です.産業界との連携には,産学連携支援センターが大きな役割を果す予定です.

 来年は本会の創立10周年であり,会員の皆さんと一緒に10年を振り返り,次の10年を展望するために,本年はその準備をする予定です.

以上のことを踏まえて,今年度の柱となる活動は下記の通りです.
  1. 分科会の増強(分科会設置数の増加と分科会内での研究会の開催回数の増加)
  2. 研究成果の外部への発信の強化(J-STAGEによる論文の無料公開の促進,論文選書の出版準備等)
  3. 実験技術の産業界への普及の強化(年次講演会や分科会等における技術講習会等の開催)
  4. 図書出版の準備(実験技術の普及のための図書や創立10周年記念図書等の出版準備)
  5. 創立10周年記念行事の準備(会誌特集号の発行や講演会等の準備)

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Last Updated September 28, 2010