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The Japanese Society for Experimental Mechanics
日本実験力学会
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日本実験力学会の更なる発展を目指して

日本実験力学会  会長   森 幸治  

会長就任のご挨拶を申し上げる前に,3月11日に発生した東日本大地震で多くの尊い命が奪われ,さらに甚大な被害が発生しましたことに対して,深い哀悼の意とお見舞いを申し上げます.被災された皆様におかれましては、未だ不安な日々をお過ごしのことと存じますが,一日も早く安全な生活が確保され,力強く復興されることを,心からお祈り申し上げます.

さて,2011年8月31日の総会をもちまして,会長の重責を担うことになりました.今年は本学会が創立10周年を迎えた節目の年でもあります.このような年に会長を拝命することは大きな喜びであるとともに,新しい10年のスタートに相応しい活動を推進しなければならない責任を痛感しております.

これまで,歴代会長の強いリーダーシップの下,日本実験力学会は大きな発展を遂げてまいりました.その中で最も特筆すべきことは,分科会活動の充実化であったと考えます.本学会の分科会はだれでも容易に結成でき,活動の制約も殆ど無いことから,自由で創造的な活動が可能です.このような分科会は他学会には見られないユニークなものであり,本学会の大きな特徴の一つです.分科会数は現在16にも達し,扱う内容も固体,流体などの基盤学問から,バイオ,環境など複数の基盤分野を横断的に取り入れた分野までかなり拡大されてきました.また,学会の重要な役割である研究成果の公表および情報交換を行う場の提供については,年次講演会,合同分科会などの国内講演討論会に加えて,これまでに5回の国際会議(ISEM, International Symposium on Advanced Science and Technology in Experimental Mechanics)が開催されてきました.私も第5回ISEM(京都)の開催に深く関与いたしましたが,アジアのみならず、北米,欧州からも多くの参加者が集い,130件を超える講演が行われました。ISEMで講演された論文の多くは再査読の後に精選論文集に掲載され,国内外に広く配布されました.このように国際活動が活発に実施されていることは、本学会の存在が国内外に広く周知されたことの証であると考えます.また、本学会誌に掲載された論文はJ-Stageで公開されるようになりました。これによって論文が国内外の方々に読まれる機会が増加し、本学会への投稿論文の価値が一層高まりました。さらに,学会の重要な使命である産業界への貢献では、産学連携支援センターにおいて技術移転,技術開 発の橋渡しや技術指導などを推進する体制が整ってきました。

本年度においても,これまでの発展的な取り組みを継続して推進したいと考えております.しかし,学会がさらに発展するためには,新たな取り組みも不可欠です.今年度は,「より参加しやすい学会作り」を目指し,以下の取り組みに力を注ぎたいと考えております.

最近の厳しい経済状況から,企業の方々の積極的な学会活動が得難くなっています.この危機を打開するには.企業の方々が参加したいと感じる体制作りが不可欠であり,例えば,企業の方々が集って情報交換を行える懇話会や見学会などを提供し,企業の方々による分科会の設立に繋げることが必要でしょう.産学連携支援センターと緊密に連携を取りながら,好ましい方法を模索して行きたいと考えます.また,若手研究者の育成も極めて重要であり,若手が参加しやすい学会作りが今後の学会の発展に不可欠です.その第一歩として,井口会長が以前に提案されました学生会の設立はきわめて効果的であると考えます.今年度は,先ず受け皿である学生会(仮称)を設立して学生が参加しやすい環境を作り,次に懇話会や見学会といった情報交換および親睦を深める場を提供したいと考えます.将来的には年次講演会や合同分科会などに学生会の発表機会を設けることや,学会誌に学生活動のページを設けてもよいでしょう.なお,魅力ある学生会にするためには,型にはまらない柔軟な運営が不可欠です.幸い,本学会には分科会という自由な活動が可能な組織体系が既に確立されていることから,魅力ある学生会の設立は難しくないと考えます.会員増強,将来計画および企画の理事と相談し,実現方法を検討したいと思います.最後に,多くの会員が学会誌の発行に貢献できるよう,より投稿しやすいシステム作りを進めたいと考えます.例えば,論文にこれまでのFull paperに加えてShort article,Letterのようなカテゴリーを設けて自由度を高める方法があります.それによって,年次講演会や合同分科会で講演された成果も論文として投稿されやすくなります.編集委員会,論文審査委員会と連携して,会員に有益な学会誌のあり方について検討を行いたいと考えます.

新たな取り組みによって会員が参加しやすい環境作りが行えれば,会員数も自ずと増加してくると考 えます.本学会が会員の皆様にとってこれまで以上に参加しやすく有益な学会に発展するよう努力したいと存じます.皆様のご協力を賜れば幸いです.


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Last Updated September 15, 2011