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The Japanese Society for Experimental Mechanics
日本実験力学会
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日本実験力学会の発展と充実を目指して
―新会長就任を機に―     会長  隆 雅久

 2001年12月開催の役員会および総会において、次期会長(2002-2003年度)に選出されましたことは私自身誠に光栄でありますが、それと同時にわが“日本実験力学会”の将来発展に思いを馳せつつ、それが担い果たすべき多くの課題・問題とを考え合わせるとき、あらためて身の引き締まる思いがしております。

 すでにご承知のとおり日本実験力学会は、その前身である日本光弾性学会の発展的改編によって2001年1月1日発足いたしました。その改編に取り組んだ原動力の主たる所は,製造業を中心としたあらゆる産業界はもちろんのこと社会人の日常生活においても“力学”の実証的理解とその有効活用なくして“もの造り”は不可能であり、その作業を真に支えうる技術は‘仮想・仮定’と‘現実・実際’とを如何につなぎ合わせるか、また如何にそれらの整合を取りうるかとの認識にあると考えます。日本実験力学会はその名が示すとおり、力学現象を対象とする実験的計測・解析手法の進歩・発展を通じて社会に貢献することを目的としており、光学的手法に限定することなく広くあらゆる実験・計測の側面を対象といたします。

 われわれを取り巻く工学・工業の世界を見まわすとき、これまでかって体験したこともない急速な技術革新が目の当たりに展開されています。特に、Bio-Technology、Nano-Technology、Info-Technologyなどの新しいテクノロジーが急速な発展を遂げつつあり、一方従来からの多くのTechnologyでも“もの造り”のために真に信頼性の高い解析・予測を踏まえた新しい設計・製作技術が要求されています。これらの要求に応えるには、いかに卓越した計算技術を駆使しようとも、実験事実を踏まえて妥当性・信頼性に裏打ちされた技術を展開・発展させるほかに道はないものと考えております。このような観点に立つとき、実験力学の先端技術に習熟した技術者を養成し、より信頼性の高い計測手法を駆使した実験解析をすることは非常に重要でありましょう。

 日本実験力学会発足のもうひとつの柱は、産業界のニーズ・シーズと大学や研究機関がそれぞれに保有するシーズ・ニーズとをどのようにして結びつけ、社会・産業のよりよい発展に貢献できるよう努めることにあります。そのためには、いろいろな専門学会がそれぞれの興味を対象として展開してこられた“実験計測・解析技術”の横断的学際連携を進めることによって、より効果的・効率的な技術の応用を期待することができると同時に、さらに先進的な技術開発のヒントを相互に啓発できると考えます。加えて、産業界での個別の問題解決に向けての創意工夫と大学・研究所での基礎的・汎用的取り組みとを上手に組み合わせれば、必ずや新しい技術の創生が可能となるでしょう。異なる産業・企業間の交流もまた相互刺激と相互活性を作り出しうるものと思います。

 国際的には、米国SEM、欧州EuroSEM、アジアACEM、その他多くの実験力学関連学会組織との協力連携を進め、より緊密な交流を実現したいと考えております。特に、全視野計測法の世界的標準化の動向に対してわが国でも積極的に取り組まねばならないものと考えられますが、わが日本実験力学会こそその中心的役割を担う覚悟が必要ではないでしょうか。

 学際的・国際的広がりを推進し、加えて産業界の実務技術者と大学等研究者との連携強化を図ることを旨として、21世紀の実験力学の発展に寄与できますよう、会員の皆様のご鞭撻とご協力をお願いいたします。



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Last Updated September 28, 2010