「日本実験力学会2002年度年次講演会」報告



本会の2002年度年次講演会が8月5,6日の2日間,和歌山大学システム工学部(和歌山市)において行われた.2日間とも真夏の太陽が照りつけ,非常に暑い(外気温36℃程度)中での開催となった.会場となった和歌山大学は,和歌山県と大阪府の県境に近い山の中腹にあり,和歌山市駅からバスで30分程度という少々交通の便が悪いところに位置している.それにも関わらず,2日間で約120名の参加者があり,昨年東京で開かれた講演会とほぼ同じくらいの方々に参加して頂いた.

会議は森本吉春実行委員長による簡単なオープニングセレモニーに引続き,3つの会場で講演が行われた.講演数は一般講演(講演時間20分)が77件,特別講演(講演時間1時間)が1件であった.その他に,プログラムには掲載されていない特別セッションにおける講演が4件あった.各講演においては最新の研究成果についての発表や活発な議論が行われ,実験力学分野の関心の高さを感じた.図1は講演風景である.また,特別セッションにおいては,企業における実験力学の現状やニーズについての講演が行われた.この特別セッションでは,プログラムや講演論文集には掲載できない(秘密の)内容が含まれており,非常に興味深い話を聞くことができた.その他にも,企業による新製品紹介・展示が行われ,会議2日目には電子スペックルパターン干渉法に関する技術講習会が行われるなど,多くの行事が開催された.

特別講演として,Virginia Polytechnic Institute and State Universityの名誉教授で,モアレ干渉法の大家として名高いDaniel Post教授による「Moir� Interferometry A Powerful Technique for Solid Mechanics」の講演が行われた(図2).Post教授はSEMの正式な代表として本講演会に参加しており,SEMの日本実験力学会に対する注目度や期待度の高さを感じた.

会議1日目終了後には,和歌山大学システム工学部光メカトロニクス学科の内,3つの研究グループの研究室見学会が行われた.
その後,大学内にある生協食堂において懇親会が行われ,約50名が参加した.多くの学生も参加し,研究者や技術者との交流を楽しんでいたようである.(図3)

今回の講演会から,優秀な講演を行った35歳以下の本会会員に対して優秀講演賞が送られることになった.審査の結果以下の2名が選ばれ,後日実行委員会から賞状が送られた.
優秀講演賞
水谷義弘(宇宙開発事業団)
森田康之(九州大学)


図1 講演風景


図2 Post教授による特別講演


図3 懇親会


Last Updated January 9, 2003