2024年度称号授与報告｜JSEM日本実験力学会

称号授与理由：田中洋介氏は、微粒子の3次元空間位置と形状の測定法を，ホログラフィを用いて精力的に研究し，顕著な成果を上げている．特に注目すべきは，従来のホログラフィにおける再生像の不鮮明さを引き起こす双画像問題を解決した位相回復ホログラフィである．この技術で初めて1000 fps以上の高速度撮影を可能とし，固体，気体，液体の二相それぞれの3次元空間位置と形状の測定を実現している．これらの学術成果は，国内外の著名な雑誌および学会で積極的に発表され，実験力学技術の普及と進化に大きく貢献している．また，位相回復ホログラフィの社会実装に向けた装置開発にも積極的に取り組んでおり，その成果を学術雑誌や商業雑誌に発表している．さらに，本学会が主催する国際会議ISEMの実行委員や光学的手法分科会の幹事を務めるなど，学会運営への貢献も顕著である．
　以上のように，田中洋介氏は実験力学分野への貢献が大きく，今後，位相回復ホログラフィ技術の開発などの更なる貢献が期待できる．称号授与規定および提出された推薦書に基づいて，実験力学専門術士の称号を授与する．